2013年11月1日
今朝の日経新聞に以下の記事が出ていました。
『政府は2015年度の国家公務員試験・総合職試験から、
米国発の英語能力テスト「TOEFL」を使う方針を決めた。
6月にまとめた成長戦略に盛り込んだグローバル人材育成の切り札』
同誌の4月の記事にも以下の報道がありました。
『英語教育では大学受験資格のほか
国家公務員の採用試験でTOEFLなどを取り入れることを提案』
近年付け焼き刃的にTOEIC受験を押し進めて来た大学や企業が、
やはりそれではグローバルな土俵では戦えないということに気づいたのでしょうか。
ついにTOEFLの時代がやって来そうです。
かくいう私も30数年前にアメリカの大学に入学するために
福岡でTOEFLを受験しました。
当時は大学生で、ましてや女性で受験する人は大変少なく、
ほとんどの人が企業のマネージャークラスの人たちでした。
学生証をIDとして持って行ったのは私だけだった記憶があります。
よく聞かれるのが「TOEICとTOEFLの違いは何?」ということ。
TOEICは大人として英語圏で生活する日常の様々なシーンが話題です。
大人ですので仕事の事もありますし、いろんなクラブの入会の問い合わせや
レストランの予約、ラジオの放送など話題は多岐にわたります。
一方TOEFLは非英語圏の人がアメリカやカナダの大学入学に必要な試験で
大学での授業の準備のようなものです。
したがって内容は大学のキャンパスライフの様々なシーンと
授業の一部のアカデミックなトピックが中心です。
たとえば教授にレポートの内容に関して尋ねるとか、
成績表が届かなかったからどうしたんだろうと事務局に問い合わせるシーンとか
「Brown Dwarfs (褐色矮星)」についてとか
「The Clovis Culture (後期氷河期のクロービス文化)」
など大学のいろいろな講義の題材が網羅してあります。
政府のねらいはおそらく
日本人の英語力の底上げをしたいということなのでしょう。
そのためにはやはり、よく練られた早期教育と
読解力、聴解力、コミュニケーション能力などを重視する
中学・高校の英語教育の内容の変更・充実と
それを指導する教師の再教育プランや
意識を変える指導やワークショップを早急に行うべきです。
私は日本の英語教育に100%反対するのではありませんが、
多くの人にとって、英語が高校のときの漢文のように
訳をし、意味を取るだけで、その後は忘れてしまうような
生きた言語としてのコミュニケーションの部分が欠落していたことを
大変残念に思うのです。
先日教員対象のTOEFLワークショップに神戸に行って来ました。
すばらしい情熱に燃える若い先生がたくさんおられ、
日本の将来は暗くないと感じさせられました。
長崎新聞の7月27日付によると、
『県教委は26日の県教育振興会議で、英会話に特化した本県独自の試験を
2015年度にも始める方針を明らかにした。
15年度は試験的にいくつかの高校で実施し、
16年度に全ての県立高校を対象とする考え。
高校生の英会話能力を把握して英語のコミュニケーション能力を磨き、
国や県が推進するグローバル人材育成の動きを加速させる。
・・・・試験の具体的な内容は協議中だが、
外国語指導助手との対話形式にする方針という。
質問に対し、瞬時に文章を組み立てて表現する能力のほか、
伝えようとする積極性なども含めて総合的に評価する』
やはり、読み、書きに加えて「話す」スキルの重要性を
県教育委員会も重視し出したようです。
近年エスタミネーでもTOEFL受講生がだんだん増えています。
英語の「聴く」「読む」「話す」「書く」総合的なスキルを身につけたい方は
TOEFLを受験する、しないにかかわらず、ぜひお試し下さい。