Eiken- Good or… ? 小学校低学年の英検受験:その効用と弊害 / なぜエスタミネーが英語学童をするに至ったのか
2013年4月15日
Miwako's EYE
Miwako's EYE
きのうThe Japan Timesに英検に関する記事がありました。
2012年に英検受験者は232万人で
そのうち206,800人が小学生だということです。
つまり英検受験者のおよそ10人にひとりは小学生。
そのうち2、410人は5歳児、
4,200人は6歳児で、7,516人は7歳児。
私は英語教師ですが、実は英検を受験したことはありません。
日本に帰って来てから英語教師をし始めたときも、
友人から英語を教えるからには英検を取っとかないとと言われましたが、
私はアメリカの大学を出ているので英検を受ける必要は全くないと思っていました。
海外の大学に行った人はみなわかると思いますが、英検では測れない
深い知識と思考、独自の理論展開が求められる論文を
卒業までにいくつも書かねばなりません(少なくとも私の大学では)。
それを書くために毎回何十冊の本を読み、
現地のネイティブの人たちと対等に渡り合える内容と英語力で
勝負しなければなりません。
日本での問題のひとつは英語力を測るのに英検という物差ししか
知らない人が大変多いということです。
さらに子供に至っては習熟度を知る手だてがあまりないので
中学校ぐらいから塾や学校などで推奨し出す英検に
より早く取り組むことで、本人の英語が必要という認識も高まり
親たちもつい熱が入ってしまうのが現実のようです。
The Japan Times誌は、
Taking exams is not necessarily harmful to learners, but when test results are overemphasized, motivation becomes misdirected. Students mistake the language for a paper-based, correct-answer activity, rather than a real world communicative tool.
受験すること自体は必ずしも害があるとは言えないが、テストの結果が強調されることによって、英語を勉強することのモーティベーションが別の方へ行ってしまう。つまり、生徒たちは、英語が実際の世界でのコミュニケーションツールであるということよりもむしろ紙で試験される、正解が求められるアクティビティだと思ってしまうという懸念があるということだ。
Schools, teachers and parents should move away from the testing obsession. There is no good reason why 5 year-olds need to display their achievements through such exams. Instead, energy should be better focused on developing the children’s positive attitudes, broader understanding and all-around language skills.
学校や教師や親はテストの執着から離れるべきである。5歳児がそのようなテストで英語力を示さねばならないもっともな理由はない。むしろ子供の積極的な態度やより深い理解、さらにオールラウンドの言語スキルを育むことにエネルギーが注がれるべきだろう。
English should become a life skill, not a test number. The pressure on young children to be tested on yet one more part of their education does little to advocate the long-term goals of producing workers and members of society who can function satisfactorily in English. Japan desperately needs people with such skills to remain competitive in the 21st century.
英語はライフスキルとなるべきで、テストのひとつであってはならない。すでに教育の場でさまざまなテストがある年少の子供たちにさらにプレッシャーを課すことは、英語を駆使できる労働力や社会の一員となるべき者を育てるという長期目標を提唱することに何の効果もないだろう。日本は21世紀に世界で対等に渡り合えるために、そのようなスキルを持った人材がせひとも必要なのである。
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吉田松陰は、
「君子に貴ぶ所の者は志のみ、胆(きも)のみ、胆なく志しなくんば、
則ち区々の才知将(は)た何の用か之を為さん」
と言っています。つまり、頭がいい、物知りだけではなく、
肝がすわって志と気力がないと知力も役に立たないということです。
エスタミネー英語教室では5月から「英語学童」を始めます。
まさにより深く広い知識を持った
英語のオールラウンドプレイヤーを目指すものです。
もちろん英検を目指す人がその中におられるかもしれませんが、
子供たちは英語が試験だけのためだとは全く思わないでしょう。