産業能率大学と長崎の意外なつながり The SANNO University and Nagasaki
2011年2月10日
Miwako's EYE
Miwako's EYE
ある調べものをしていたら、産能大学の創立者上野陽一さんに行き当たりました。この方は、今から50年前以上の昭和20〜30年代にすでにCritical Thinkingやbrainstorming のクラスを提供していたり、現在ライオンとなる当時小林商店という会社に日本初と言われるコンサルティングをされていた方です。彼の著書上野陽一「独創性ノ開発トソノ技法」(技報堂 1957)というのがあるそうですが、ぜひそのうち読んでみたいと思います。
さてそのcritical thinkingの定義とは、以下http://www.criticalthinking.orgからの抜粋です。
Critical thinking is a rich concept that has been developing throughout the past 2500 years. The term “critical thinking” has its roots in the mid-late 20th century. We offer here overlapping definitions, together which form a substantive, transdisciplinary conception of critical thinking.
Critical Thinking as Defined by the National Council for Excellence in Critical Thinking, 1987
A statement by Michael Scriven & Richard Paul for the Critical thinking is the intellectually disciplined process of actively and skillfully conceptualizing, applying, analyzing, synthesizing, and/or evaluating information gathered from, or generated by, observation, experience, reflection, reasoning, or communication, as a guide to belief and action. In its exemplary form, it is based on universal intellectual values that transcend subject matter divisions: clarity, accuracy, precision, consistency, relevance, sound evidence, good reasons, depth, breadth, and fairness.
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Critical thinking can be seen as having two components: 1) a set of information and belief generating and processing skills, and 2) the habit, based on intellectual commitment, of using those skills to guide behavior. It is thus to be contrasted with: 1) the mere acquisition and retention of information alone, because it involves a particular way in which information is sought and treated; 2) the mere possession of a set of skills, because it involves the continual use of them; and 3) the mere use of those skills (“as an exercise”) without acceptance of their results.
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この上野陽一という方は、今から50年以上も前に「断捨離」を推奨し、無理無駄をなくし、いかにものごとを効率よくやるかという講義を行っていました。今でいうmanagement courseを提供していたのです。ある逸話に、試験のときは持って来れるだけの参考書でもノートでも持って来てよい、ということで試験にのぞんだ生徒たちはその質問にびっくり。「このクラスをより良くするにはどうしたらよいか」の一問だったとか。あたまを柔軟にし、創造的に考える力はさまざまなまだ見ぬ状況により良く対処して行くために必要な力です。
私の日本での学生時代は暗記をすることに重点が置かれ、持っている知識を柔軟に駆使してそれを生きる力として応用するやり方を学ばず、せっかくの知識が試験が終わるとともに流出していくという悲惨なもので終わってしまいました。アメリカの大学に行って初めて、ひとつの事柄を多方面から見て分析し、それに対してフェアーな観点から意見を述べるというトレーニングを多く積みました。意見を述べるためにはその論拠が必要で、そのためにはたくさん知識があることが前提です。暗記して事実を知っているだけでは何の訳にも立たず、それがどういう意味を持っていて、それに対して私はどう思うのかということをきちんと述べる事ができないと意味がありません。
日本に帰ってきて多くの学生の方を見ていると、未だ日本の教育は30年前と変わっていないと実感せざるを得ません。それはそれを指導する先生方、そしてその先生方を導くプログラムを作っている文部省の頭の古さに他ならないでしょう。このままいくと、日本はアジアでも旧態然としている知的後進国になりかねません。
さて、話しをもとに戻しますと、その産業能率大学の創始者の上野陽一さんのお父様が上野幸馬で、あの写真の祖と言われる上野彦馬の弟なのです。長崎出身で、神戸、東京都へ出て写真師をやっていた人です。
幸馬は明治初年に神戸に出て、福原遊郭に店を開いたそうです。父俊之丞や兄彦馬伝授のコロジオンの調剤がうまく多くのひとがその秘伝を求めてやってきたそうです。その後遊郭移転があり、店を閉じ東京へ出たということです。
やはり上野家ってすごいですね。